インピンジメントリリースとは
インピンジメントリリースとは、当院院長の小野が提唱している理論で、身体の動きと東洋医学の知恵を組み合わせたM-Testと、身体の構造と機能の関係を研究する解剖学の一分野である機能解剖学を組み合わせて、身体評価と施術を行う方法です。
インピンジメントは直訳すると衝突という意味です。
身体は関節周囲の筋肉や靭帯の緊張によって、動作の不具合であるインピンジメントを引き起こすことがわかっています。
動作の不具合は一部の筋肉や靭帯、関節そのものに過負荷をかけ、炎症を引き起こします。
インピンジメントリリースはこの動作の不具合を解消し、関節の運動と運動連鎖を改善することを目的とした治療法となっています。
インピンジメントリリースの特徴
関節の周囲には多くの筋肉や靭帯が存在し、これらが過度に緊張することで関節の運動が制限され、痛みや不快感が引き起こされることがあります。
また、身体は『運動連鎖』と呼ばれる、多関節が関与する動きの連続性で成り立っています。
この運動連鎖に不具合が生じた場合にもインピンジメントが発生します。
インピンジメントが発生すると、関節内の組織(主に腱や関節包)が骨との接触や圧迫によって炎症を起こします。これにより関節の可動域が制限され、痛みや不快感が生じることがあります。
インピンジメントリリースは、このインピンジメントが関節単独の問題なのか、多関節が影響した運動連鎖上の問題なのかを素早く見極め、必要な箇所に施術できるのが特徴です。
右の図1は、半月板損傷の診断を受けて当院にご来院いただいた患者様の写真です。
膝を曲げると痛みがあり、手術を宣言されていました。
この膝を詳しく検査すると、後脛骨筋と呼ばれるふくらはぎの筋肉の過緊張により、膝関節内でインピンジメントが発生している状態でした。
後脛骨筋が過緊張状態に陥ると、膝関節で本来起きるはずの『滑り』という動きと、『転がり』という動きのうち滑りが起きにくくなります。
滑りが起きない膝関節では、曲げた時に膝裏に詰まる感覚になり、実際に半月板と骨でインピンジメントが生じ、膝の曲げ伸ばしのたびに膝のクッションの働きをする軟骨である半月板にダメージが蓄積してしまう状態になってしまいます。
この状態を見極め、施術で後脛骨筋の柔軟性を取り戻してあげると、図2のように痛みなく綺麗に膝を曲げることができるようになります。
このように、インピンジメントが発生している原因を正確に特定することで問題を解決して行くのがインピンジメントリリースです。
インピンジメントリリースでは、特定の筋肉や靭帯の緊張を緩和し、肩関節周囲の圧迫や摩擦を軽減することで、症状の改善を図ります。具体的な手法には、鍼灸を使った施術はもちろん、M-Test、ストレッチ、マッサージ、筋膜リリース、関節可動域の調整など様々な施術が含まれます。これらの手法を用いて、関節の運動の正常化や運動連鎖の改善を通して痛みの軽減を促すことを目指します。
インピンジメントリリースの効果
インピンジメントリリースの効果は痛みを主訴とする整形外科疾患だけでなく、頭痛やめまいなどの内科・自律神経系疾患、関節リウマチなどの自己免疫疾患など多岐に及びます。
動きを観察して運動連鎖を改善するというシンプルな方法ではありますが、シンプルだからこそ応用の範囲が広いため色々なお悩みの方におすすめできます。
インピンジメントリリースの対象疾患
インピンジメントリリースが有効と考えられる症状・疾患は以下のとおりです。当院で対応している疾患のほぼ全てを網羅できています。
整形外科疾患全般
- 変形性頚椎症
- 頚椎症性神経根症
- 頚椎症性脊髄症
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 肩関節周囲炎
- 四十肩、五十肩
- 腱板損傷
- アキレス腱炎
- 足底筋膜炎
- 踵部脂肪体障害
- 蜂窩織炎
- 頸椎捻挫後遺症(ムチウチ)
- 腰椎捻挫
- 手足の痺れ
- 膝関節痛
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 股関節痛
- 変形性股関節症
- 臼蓋形成不全
- 股関節インピンジメント
- 先天性股関節脱臼
- オスグッド・シュラッター病
- シンスプリント
- ジャンパー膝
- タナ障害
- 野球肩
- 野球肘
- 水泳肩
- テニス肘
- ばね指
- ガングリオン
- 腱鞘炎
- ドケルバン症候群
- へバーデン結節
整形外科疾患以外の症状
- パーキンソン病
- 多系統萎縮症
- バセドウ病
- 橋本病
- スティッフパーソン症候群
- 関節リウマチ
- 膠原病
- シェーグレン症候群
- メニエール病
- めまい発作
- 良性発作性頭位めまい症
- 動悸
- 頭痛
- 自律神経失調症
- 不安神経症
- 不安・抑うつ
- コロナ感染後遺症
当院でのインピンジメントリリース
インピンジメントリリースは鍼灸院おるきが発症の治療法であるため、高品性な施術を提供できます。
院長の小野が大学院・大学病院で行った研究と、M-Testという世界に認められたメイドインジャパンの治療法を通して見つけた施術の共通点を細かくまとめ、15年以上、のべ10万例を超える施術経験から導き出したこの方法は、多くの難治性の症状でお困りの患者さんのお役に立てると確信しています。
インピンジメントリリースは全国の医師、鍼灸師、柔道整復師、理学療法士、看護師に対してセミナーも行っています。
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