Facsiaリリースとは
『ファシアリリース』とは、以前は日本では『筋膜リリース』と呼ばれていました。身体の筋肉の表面を覆う筋膜や結合組織、内臓の表面にまで繋がる膜組織(ファシア)に対して行われる治療法の一つです。
ファシアは、筋肉や臓器を包み込み支え、保護し、それらの構造を維持する結合組織です。ファシアの異常な緊張や癒着が身体の不快感や痛みを引き起こすと考えられており、ファシアリリースはこれらの問題を改善しようとする治療法となっています。
ファシアリリースにはいくつかの手法がありますが、一般的には以下のような手法が利用されます:
マニュアル・ファシアリリース
手技を用いて、筋膜に対して直接的な圧力やストレッチをかけて緊張を緩和します。圧迫やストレッチがファシアの緊張を解きほぐし、筋肉の柔軟性や関節の可動域を改善します。
ファシアストレッチ
筋膜を特定の方向に引っ張ることで筋膜の緊張を緩和し、筋肉の柔軟性や関節の可動域を向上させます。ファシアをターゲットにしたストレッチは通常、静的ストレッチという手法で行われます。
ファシアリリースツールの使用
ファシアリリースには専用のツールや器具を使用することもあります。これらのツールを使って筋膜に圧力をかけたり、ストレッチを行ったりすることで、より効果的なリリースが可能となります。
鍼を使ったファシアリリース
鍼灸を使ってのファシアリリースも行います。鍼でファシアの表面に微細な傷をつけることで筋膜の緊張を緩和し、筋肉の柔軟性を向上させます。
ファシアリリースは、筋肉の緊張や硬さ、慢性的な痛み、姿勢の問題、運動制限などの改善に役立つとされています。また、スポーツ選手やトレーニングを行う個人にとっても、パフォーマンスの向上やスポーツ障害の予防に利用できます。
Facsiaリリースの特徴
ファシアリリースには以下のような特徴があります。
全身へのアプローチ
ファシアは身体全体に広がっており、筋肉や骨、臓器などを包み込んでいます。そのため、ファシアリリースは身体の1箇所にアプローチすることでファシアでつながっている全身に対してアプローチを行うことができます。ファシアのつながりを施術者が理解していれば、特定の部位の緊張や不快感だけでなく、身体全体のバランスや姿勢、運動機能を改善することが可能です。
静的ストレッチと手技の組み合わせ
ファシアリリースでは、静的なストレッチや手技を組み合わせることが一般的です。静的なストレッチでファシアを伸ばし、手技で緊張を解きほぐすことで、筋膜の柔軟性を向上させます。
圧迫やストレッチによる緩和
ファシアリリースでは、筋膜に対して圧迫やストレッチを行うことで緊張を緩和します。圧迫は手技や器具などを使って行います。圧迫をかける際には、一気に負荷をかけるのではなく、患者さんに負担がかからないようにゆっくりとしたリズムで行います。
患者さん個々の身体状態に合わせたアプローチ
ファシアリリースは個々人の身体状態や時々の状況に合わせてアプローチを調整することが可能です。痛みや不快感の場所、運動制限の程度、身体の特性などを考慮して、最適な治療プランを立てていきます。
断続的なケアが必要
ファシアリリースは一度の施術で全てを改善するというよりは、継続的なケアが重要となる方法です。身体のバランスや筋膜の状態は日々変化するため、定期的にファシアリリースを行うことでより持続的な効果を得ることができます。院での施術だけではなく、自宅でファシアストレッチを行うことで相乗効果が期待できます。
ファシアリリースは、身体の柔軟性や運動機能を向上させ、痛みや不快感を軽減するだけでなく、身体全体の健康やパフォーマンスの向上にも役立つ治療法です。
Facsiaリリースの効果
ファシアリリースを行うことで以下のような効果が期待できます。
筋膜の柔軟性の向上
ファシアリリースにより、筋膜の緊張や癒着が緩和され、筋膜の柔軟性が向上します。これにより、身体の可動域が拡大し、筋肉や関節の動きが改善されます。
痛みや不快感の軽減
筋膜の緊張や癒着が痛みや不快感の原因となることがありますが、ファシアリリースによりこれらが緩和されることで、痛みや不快感が軽減される場合があります。
姿勢の改善
ファシアリリースにより、筋膜や関連する筋肉の緊張が緩和されることで、姿勢が改善されます。特に長期間の不良姿勢によって引き起こされる筋肉の不均衡や筋膜の緊張が解消されることで、正しい姿勢を保つことが容易になります。
運動パフォーマンスの向上
ファシアリリースにより、筋膜や関連する筋肉の柔軟性や可動域が向上することで、運動パフォーマンスが向上する場合があります。特にスポーツ選手やアスリートは、ファシアリリースを行うことでパフォーマンスの向上を図ることがあります。
ストレスの軽減
ファシアリリースを行うことで全身の筋膜が緩み、リラックス効果が期待できます。これは、ストレスや緊張の軽減に役立つとされています。また、施術中に深いリラックス状態に入ることで、心身の緊張が解消されることがあります。
ファシアリリースにより、筋膜の緊張や癒着が緩和され、筋膜の柔軟性が向上します。これにより、身体の可動域が拡大し、筋肉や関節の動きが改善されます。
これらの効果は個々の状況や身体の状態によって異なるため当院では他の施術方法も併用することが多いですが、ファシアリリースは患者さんにとっては比較的セルフケアも行いやすい方法で、身体全体の健康や運動能力の向上に役立ちます。
Facsiaリリースの対象疾患
ファシアリリースを行うことがおすすめの疾患は以下のとおりです。
基本的には日々のメンテナンスから整形外科疾患、メンタルヘルスケアなどが関与する自律神経系疾患です。
整形外科疾患
- 変形性頚椎症
- 頚椎症性神経根症
- 頚椎症性脊髄症
- 頚椎椎間板ヘルニア
- 肩関節周囲炎
- 四十肩、五十肩
- 腱板損傷
- アキレス腱炎
- 足底筋膜炎
- 踵部脂肪体障害
- 蜂窩織炎
- 頸椎捻挫後遺症(ムチウチ)
- 腰椎捻挫
- 手足の痺れ
- 膝関節痛
- 変形性膝関節症
- 半月板損傷
- 股関節痛
- 変形性股関節症
- 臼蓋形成不全
- 股関節インピンジメント
- 先天性股関節脱臼
- オスグッド・シュラッター病
- シンスプリント
- ジャンパー膝
- タナ障害
- 野球肩
- 野球肘
- 水泳肩
- テニス肘
- ばね指
- ガングリオン
- 腱鞘炎
- ドケルバン症候群
- へバーデン結節
整形外科疾患以外
- パーキンソン病
- 多系統萎縮症
- バセドウ病
- 橋本病
- スティッフパーソン症候群
- 関節リウマチ
- 膠原病
- シェーグレン症候群
- メニエール病
- めまい発作
- 良性発作性頭位めまい症
- 動悸
- 頭痛
- 自律神経失調症
- 不安神経症
- 不安・抑うつ
- コロナ感染後遺症
当院でのFacsiaリリース
当院でのファシアリリースは徒手を使った方法、ストレッチを使った方法、そして、鍼灸院ならではですが、鍼灸を使った方法で行います。
ファシアリリースを単独で使用するというよりは、鍼灸やインピンジメントリリースなど他の手技と組み合わせた中で、膜の滑走性を高めた方が施術効果が高くなる場合に用います。
ファシアの概念を取り入れることで機能解剖学的理解が深まり、施術結果が良くなる。
ファシアはそのような位置付けとなっています。
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