こんにちは!
福岡の鍼灸院おるき、院長の小野です。
ここ数日、多系統萎縮症の方からのお問い合わせが多くありました。
多系統萎縮症の詳細はこちらをご確認ください。
さて、多系統萎縮症には、実はかなりの思い入れがあります。
小野は開業前、福岡大学病院と、研究室時代の先輩が経営する鍼灸院、脳外科の3箇所で掛け持ちで働いていました。
平日は福大病院と脳外科、土・日・祝日は先輩の鍼灸院という感じです。
その、先輩の鍼灸院に来てくださっていた患者さんが多系統萎縮症患者さんでした。
当時の私は今ほど症例も多くなく、治療方法といえば今は使いこなしている各テクニックの流派の教えに沿って頭を捻りながら施術を行うという、そのような施術を行なっていました。
しかし、相手は難病です。
どうやっても大きな変化が出せず、帰りの足取りが少し軽い程度。
色々とオススメできそうなサプリメントやEMSなど、生活の質が上がりそうなものを調べてきては試してもらうという日々でした。
ある日、僕の方が心が折れかけて、つい、聞いてしまいました。
『〇〇さん、施術では大きな変化は出せていなくて、もしかしたら体感では全く変化が出ていないかもしれない。なのに、何でこんなにも続けて来てくださるんですか?』
と。
すると、患者さんはこう、答えてくれました。
『自分は、もう元のように歩けないのはわかってます。
でも、娘の成長をできるだけ長く見ていたいし、家族と一緒の時間を送りたい。
だから、少しでも良い状態で病気を進ませないために来ています。
先生は変化が出せてないと嘆くけれど、ちゃんと変化を感じています。
来る時には妻に肩を貸してもらってなんとか歩いて来ているけれど、帰りには手を引いてもらうだけで歩くことができる。
声が出やすくなって、娘といつもよりも会話ができる。
だから、胸を張ってください。
先生がいっぱい調べてくれて、治療の時間以外も時間を使ってくれているって伝わっています。
いつも感謝しながら、来ています。』
鍼灸院は保険が効きづらく、どうしても院では自費での施術になってしまいます。
そのため、こちらが本来、『施術ではこれぐらいの変化が出るから、この金額にしよう。』と設定しているよりも費用対効果が良くないな・・・と感じた場合、施術する側の心にもなかなかきつい場面があります。
でも、そのように教えてくれた患者さんがいたからこそ、今でも結果と向き合い施術が続けられています。
その出来事からもう7年。
難病と立ち向かうにはまだまだ学ばなくてはいけません。
でも、その経験があったからこそ、今できることで患者さんと一緒に目標を設定し、目標に向かって一緒に進んでいくことができるようになったと思います。
多系統萎縮症は鍼灸では完治や根治はできません。ですが、日常生活を少しでも取り戻し、未来に希望を繋ぐことはできると思っています。
福岡市西区近辺で多系統萎縮症でお困りの方は、福岡の鍼灸院おるきにご相談ください。
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